産休・育休中に受け取る手当(出産手当金・出産育児一時金・育児休業給付金)が所得にならないことをご存知でしょうか?
所得にならない=収入がない
ということは、ご主人の扶養(税扶養)に入ることができる可能性があるのです。
扶養に入ることが出来れば、その分ご主人の税金は安くなり、家計が潤いますね!
しっかり確認しておきましょう。
もくじ
出産にまつわる3つの手当
会社員の方が、妊娠・出産をすると、健康保険と雇用保険から、出産手当金・出産育児一時金・育児休業給付金が支給されます。
これらのお金、実は所得になりません。
つまり、仮に1年間のあなたの収入が、これらの手当だけであれば、所得は0円だということになるのです。
所得がない(少ない)ってことは、扶養に入れるのでは?
そう考えることが出来ますね。
2種類の扶養
“扶養”には、2種類あります。
知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、おさらいしておきましょう。
社会保険上の扶養
一つ目が社会保険上の扶養です。
「130万円の壁」なんて言われたりしますが、収入が130万円以下であれば、配偶者の扶養に入ることができ、自身で社会保険料を納める必要がありません。
社会保険とは、健康保険や国民年金のことを言います。
ただし、産休手当や育休手当を受給しているあなたは、ご自身の社会保険に入っていて、扶養には該当しませんので、今回は考えなくてOKです。
なお、産休・育休中は、社会保険料は免除となりますので、ご安心ください。
税法上の扶養
二つ目が税法上の扶養です。
「103万円の壁」なんて言われており、今回該当する可能性があるのがこちらです。
税法上の扶養に入ることが出来れば、配偶者控除もしくは配偶者特別控除という制度によって、ご主人の所得税と住民税を安くすることが可能です。
配偶者控除と配偶者特別控除
配偶者控除と配偶者特別控除、どちらに該当するかは、1年間(1月1日〜12月31日)のあなた(妻)の収入によります。
配偶者控除
年間の合計所得金額が48万円以下(収入が給与のみの場合は103万円以下)の場合は、配偶者控除に該当します。
例えば、産休が3月からなど、1年間の早い時期からであれば、年間給与収入は103万円以下の可能性が高いでしょう。
逆に、育休終了が10月など、1年が終わりに近づいている頃であれば、その年の配偶者控除に該当する可能性があります。
配偶者特別控除
配偶者特別控除は、年間の合計所得金額が48万円超133万円以下(収入が給与のみの場合は103万円を超え、201万円以下)のときに、段階的に税負担の軽減になる制度です。
給与収入が201万円に近づけば近づくほど節税額は減りますが、使わないよりは使ったほうがいいですね。
産休が3月からなど、1年間の早い時期からであっても、その年にそれまで働いていた分のボーナスが支給されれば、103万円は超えるかもしれません。そういった場合は、配偶者特別控除に該当する可能性があります。
いずれにしても、1年間の給与明細を合計して、該当するか否か確認してみましょう。
いくら節税できる?
いくら節税できるかは、ご主人の年収によって異なります。
例えば、年収600万円の場合、配偶者控除が適用されると、
①所得税 38万円(配偶者控除額)×20%(所得税率)=76,000円
②住民税 33万円(配偶者控除額)×10%(住民税率)=33,000円
合計109,000円の節税となる可能性があります。
大きい額ですね!
手続き方法は?
配偶者控除もしくは配偶者特別控除を受ける時は、年末調整又は確定申告で申請が必要です。
年末調整で配偶者控除・配偶者特別控除を受けるとき
ご主人が会社員で、確定申告をする必要がない場合は、手続きは会社の年末調整で行うのが良いでしょう。
「給与所得者の配偶者控除等申告書」を会社に提出すればOK。
該当者は、こちら(給与所得者の基礎控除申告書・給与所得者の配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書の記載例)を参考に、年末調整時に会社に申請しましょう。
確定申告で配偶者控除・配偶者特別控除を受けるとき
会社での年末調整で配偶者控除・配偶者特別控除の申請を忘れた場合や自営業の方は、確定申告で手続きをすることが必要です。
確定申告書AまたはBの第一表に収入や所得・控除額、第二表に配偶者の個人情報の記入をすることで配偶者控除もしくは配偶者特別控除を受けることができます。
該当の場合は、国税庁HPで確認しながら進めましょう。
注意
まとめ
普段は会社員として働いていて、扶養には入っていないので、忘れがちな手続きです。
該当する場合は忘れずに申請しましょう😊
手続きをすることで、ご主人の税金が数万円〜十数万円安くなりますよ!
尚、その年の確定申告で忘れていた場合も、5年以内であれば還付申告可能です。(更生の請求)
更正の請求書の提出には、その事実を証する書類(配偶者の源泉徴収票)の添付が必要です。
正当だと認められた時は、納めすぎていた税金が戻ってきますので、諦めずに税務署に問い合わせてみましょう。